Kit_A ( a.k.a. KITA YOSHIKI )

Roadcone with ....

 ロードコーンは、人間が係る場所に置かれます。それは、これから作られていく場所だったり、人がすごく集まる場所だったり、人の手に触れてほしくない場だったり…。人がいる場所、いた場所を証明するものの一つとも言えるでしょう。 また、本来は道路標識と同様に「注意喚起」などのために使われる物ですが、その形状の愛らしさからいろいろな使われ方をもしています。

※札幌国際芸術祭(2014.07.19〜09.28)の期間、その風景、係る人々をロードコーンと一緒に撮影、その様子を紹介するページとして作成したのがはじまりです。

↑ Roadcone with you. ロードコーンと一緒に撮りました。click!!

2019年7月4日木曜日

「紅白梅図風 〜Take me to tomorrow」

 市立小樽美術館での展覧会『鈴木吾郎と新鋭作家展〜時を紡いで〜』に出品している作品「紅白梅図風 〜Take me to tomorrow」について。

 尾形光琳の作品、「国宝 紅白梅図屏風」(18世紀前半、MOA美術館所蔵)を基につくった絵を、引き出したVHSのビデオテープでドローイングした。使用したビデオソフトは、ドキュメント「真珠湾攻撃、そして原爆」と「東京原発」(2002)という風刺喜劇映画。
 「紅白梅図屏風」の屏の一字をとることで、『~風な』というタイトルにした。英字タイトルの「Take me to tomorrow.」は、「カントリー・ロード」で有名なジョンデンバーの曲のタイトル。

 そろそろ役割を終え忘れられてしまいそうな、そろそろ寿命でもうすぐただのゴミと化す、でも自分の時代に活躍したメディア、ビデオテープ(1)で、忘れてはいけない出来事を描いた。今回描いた内容は人々にとっては忘れてはいけない事故の記憶の絵、または原発や軍隊を宝物にしたいと思っている人の国の絵。

 伝統的な日本の表現とマンガやアニメーションの表現の類似性は今さら指摘するまでもない事である。出力形式が持つ仕様から似たような表現に行き着いたのであるのが主な理由であるのだが、時代が違えど同じような表現にたどり付いたわけだから、どっちも日本らしい表現と言えるのだろう。爆発やキノコ雲の表現はマンガ家の大友克洋(2)のものを、カミナリやそれっぽいエフェクト表現はアニメーション作家の金田伊功(かなだ よしのり)の表現を借りた。平井和正の「幻魔大戦」(1983)のアニメ映画化のときのキャラクターが大友克洋でアニメーターが金田伊功。なので、別のタイトルをつけるとしたら「幻魔大戦」か。


(1)アナログメディア愛好家は多く、レコードやフィルムも大人気。ビデオやカセットの愛好家も多いらしく「VHSテープを巻き戻せ!(2014)というドキュメント映画では多くのVHSマニアが登場する。ただ、ここでも語られるがレコードやフィルムと違って、VHSなどの磁気テープ利用のメディアにはデジタル媒体に対する基データのアドバンテージはあまりないので、レコードのような発売のされ方は考えられにくい。

(2)この作品の制作中に、大友克洋が久しぶりの漫画作品発表。
しかも、38年振りの「気分はもう戦争」の続編。本家の描く、新作爆発シーンに歓喜

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鈴木吾郎と新鋭作家展
〜時を紡いで〜
2019年5月18日(土)〜7月15日(月・祝)
9:30〜17:00(入館は16:30)
休館日 月曜(7月15日除く)
市立小樽美術館
出品作家
鈴木吾郎・秋山一郎・伊勢かがり・上嶋秀俊・大原央聡・
奥井 理(故人)・Kit_A・鈴木比奈子・平埜佐絵子・藤枝由美子
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紅白梅図風 〜Take me to tomorrow」2019  2100×2600mm2枚組